お知らせ

2020年1月12日  パワハラ防止措置義務の法制化

No! 令和元年5月29日に成立した改正労働施策総合推進法により、パワハラ防止に関して、事業主に雇用管理上の措置を講じることが義務付けられました(なお、施行日は令和2年6月1日を予定。中小企業は令和4年3月31日までは努力義務)。 当該改正労働施策総合推進法では、パワハラを①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素を満たすケースとしています(同法30条の2第1項)。

就業環境が害されるとは、「平均的な労働者の感じ方」を基準とします。 具体的な例として「他者の面前での威圧的な叱責」「能力を否定し罵倒するような電子メールの送信」等を示す一方で、「懲戒処分を受けた労働者に個室研修を受講させる」等は該当しないとしています。 併せて、取引先の労働者や顧客などからの著しい迷惑行為についても、雇用管理上の取組を求めています。

【第22回労働政策審議会雇用環境・均等分科会における指針(案)】

改正労働施策総合推進法では、パワハラについて、事業主は雇用管理上必要な措置を講じなければならない、とされ、その具体的な内容について、令和元年11月20日に開催された第22回労働政策審議会雇用環境・均等分科会で、指針(案)として提示されました。 その内容は、以下のものが挙げられています。

  1. 事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
  2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3. 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適正な対応
  4. 上記 1. ~ 3. までの措置と併せて講ずべき措置

例えば、上記 1. の「事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発」として、就業規則等にパワハラ禁止方針を規定し、労働者に周知・啓発を行うことが必要となります。 就業規則の服務規程において、下記のようなパワハラ禁止方針の規定を設けるとともに、懲戒規定においても当該服務規律違反行為(すなわち「パワハラ行為」)が、懲戒の対象となることを明示すべきです。

<服務規律の例>

職務上の地位や人間関係、経験などの職場内での優位性を背景に、業務上必要、かつ相当な範囲を超えた言動により、他の従業員、又はその他業務上の関係者に対し、身体的・精神的苦痛を与え、又は就業環境を害してはならない。

その他、指針(案)では、単に就業規則等においてパワハラ禁止方針を明確にするだけでは足りず、パワハラ禁止についての啓発や相談に応じて適切に対応するために必要な体制の構築や、発生後の迅速かつ適切な対応等も講じることが求められていますので、持続的な取り組みが必要となるでしょう。

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