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2019年12月28日  労災保険の第三者行為災害の手続き

交通事故 業務中、又は通勤途中の交通事故などで、加害者が第三者である場合、被災労働者及びその遺族は労災保険の給付を請求できるほか、民事上責任のある加害者(第三者)に対して損害賠償請求権を行使できます。

ただし、同一の事由(治療費や休業補償等)で労災保険給付と損害賠償を重複して受けると、実際の損害額より多くの補填を受けることになりますので、労災保険給付の範囲内で労災保険給付と損害賠償との支給調整が行われることになります。 「第三者行為災害」の例としては以下のようなものがあります。

  1. 業務や通勤途中の自動車や自転車の交通事故(第三者がいる場合)
  2. 通勤途中、散歩中の犬に突然咬まれた(飼い主に損害賠償責任があるため)
  3. 外回りの仕事中に、工事現場の落下物に当たり負傷した
  4. 飲食店の店員が仕事中に酔っ払いに殴られ負傷した

支給調整の方法は、以下の3つがあります。

  1. 求償(先に保険給付が行われた場合の調整)
    政府は、第三者行為災害について先に保険給付をしたときは、その給付の価格の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償請求権を代位取得し、第三者に対して損害賠償を請求することになります。 災害発生後3年以内に支給事由が生じた保険給付であって、災害発生後3年以内に支給したものについて、行われます。
  2. 控除(先に損害賠償が行われた場合の調整)
    第三者行為災害が発生した場合において、保険給付を受けるべき者(受給権者)が第三者から先に損害賠償を受けたときは、政府はその価格の限度で保険給付をしないことができます。 災害発生後7年以内に支給事由が生じた保険給付であって、災害発生後7年以内に支払うべきものを限度として行われます。
  3. 示談
    第三者との間に示談が真正に成立しており、その内容が受給権者が第三者に対して有する損害賠償請求権の全部の填補を目的としている場合は、政府は保険給付を行わないことにしています。

手続きの方法としては、以下の書類を管轄の労働基準監督署に提出します。

  1. 第三者行為災害届
  2. 添付書類

  • 交通事故証明書又は交通事故発生届
  • 労災保険先行願+念書(兼同意書)
  • 誓約書(相手が不明な場合)
  • 示談書の謄本(示談が行われた場合)写し可
  • 自賠責保険等の損害賠償金支払証明書又は保険金支払通知書(仮渡金又は賠償金を受けている場合)写し可
  • 死体検案書又は死亡証明書(死亡した場合)写し可
  • 戸籍謄本(死亡した場合)写し可

  • (加害者(第三者)が提出する書類)

  • 第三者行為災害報告書

【ポイント】

  • 調整の対象となる損害賠償の項目は、保険給付と同一の事由によるものに限られます。 したがって、慰謝料・見舞金など精神的苦痛に対する損害賠償は調整の対象となりません。
  • 療養のために休業する場合、被災労働者は休業補償を受けることができます。 労災保険には、休業補償給付(給付基礎日額の60%)と休業特別支給金(給付基礎日額の20%)の2つがありますが、休業特別支給金の20%は控除の対象になりません。 例えば自動車事故の場合、労災保険給付と自賠責保険等による保険金支払いのどちらか一方を先に受けることになりますが、どちらを先に受けるかは被災者等が自由に選べます。 そのため、自賠責保険を先に請求した場合は、自賠責保険の休業給付100%と労災保険の休業特別支給金の20%、合計120%の給付を受けることができます。
  • 労災保険から給付を受けられると思い、加害者から損害賠償請求権の全部、又は一部を放棄して示談を成立させた場合、放棄した部分については損害賠償を受けたものとみなされ、その範囲で労災保険からの給付が受けられなくなります。 示談を検討する場合には、管轄の労働基準監督署に相談し慎重に進める必要があります。 示談書には、損害のすべてを示談で補償するのではなく、労災保険給付を受ける旨を明記するようにしましょう。

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