2019年8月15日 高年齢雇用継続基本給付金
高年齢雇用継続基本給付金は、例えば60歳で定年再雇用され、それまでの賃金(60歳到達時等賃金月額)が75%未満に低下した場合等に、雇用の継続を図ることを目的として支給されます。
60歳に達した日を離職日とみなした場合、それまで5年以上雇用保険の被保険者であったことが必要です。
60歳に達した日の属する月(60歳に達した日後に雇用保険の被保険者であった期間が5年以上となったときは、その日の属する月)から、65歳に達する日の属する月までの間の支給対象月について支給されます。 支給対象月とは、月の初日から末日まで引き続いて被保険者であり、かつ、月の初日から末日まで継続して育児休業給付金、又は介護休業給付金の支給対象となる休業をしなかった月のことです (月の一部が育児休業給付金、又は介護休業給付金の支給対象となる場合は、支給対象月となります。)。
【支給額】
高年齢雇用継続基本給付金は、支給対象月に支払われた賃金の額が、60歳到達時等賃金月額の75%未満となった場合に支給されます。
支給対象月に支払われた賃金額 | 支給額 |
---|---|
60歳到達時等賃金月額の61%未満 | 支給対象月に支払われた賃金額×15% |
60歳到達時等賃金月額の61%以上75%未満 | (-183×支給対象月に支払われた賃金額+137.25×60歳到達時等賃金月額)÷280 |
60歳到達時等賃金月額の75%以上 | 不支給 |
- 支給対象月に支払われた賃金が支給限度額(363,359円)以上である場合には、当該額が60歳到達時等賃金月額の100分の75未満であっても、高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
- 賃金の額と高年齢雇用継続基本給付金の額の合計が支給限度額を超える場合には、支給限度額から賃金の額を差し引いた額が支給されます。
- 高年齢雇用継続基本給付金の額として計算された額が、最低限度額(2,000円)以下の場合も支給されません。
- 賃金の減額が、非行、疾病、事業所の休業、妊娠、出産、育児・介護等による場合は、当該減額はなかったものとして取り扱います(当該減額した部分も支払われたものとして判断します。)。 高齢を原因とした賃金の減額ではないからです。
※ 支給限度額、最低限度額は、毎年8月1日に見直しが行われます。 上記は、令和元年8月1日時点の最新のものです。
例えば...
60歳到達時等賃金月額が30万円の場合
-
支給対象月に支払われた賃金が26万円のとき
賃金が75%未満に低下していませんので、支給されません。 -
支給対象月に支払われた賃金が20万円のとき
低下率が66.67%で61%を超えて75%未満ですので、支給額=(-183×20万円+137.25×30万円)÷280=16.340円 -
支給対象月に支払われた賃金が18万円のとき
低下率が60%ですので、支給額=18万円×15%=27,000円 -
支給対象月に支払われた賃金が8千円のとき
低下率が2.67%ですので、支給額=8千円×15%=1,200円となるところですが、2,000円以下ですので、支給されません。
【支給申請手続】
初めて高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けようとする被保険者は、支給対象月の初日から起算して4ヵ月以内に、「高年齢雇用継続給付支給申請書」に「60歳到達時等賃金証明書」を添付して、事業主を経由して所轄公共職業安定所の長に提出しなければなりません。
2回目以降は、所轄公共職業安定所の長が指定する支給申請月の支給申請日までに提出しなければなりません。 支給申請日は、公共職業安定所(ハローワーク)から交付される「高年齢雇用継続給付次回支給申請日指定通知書」に印字されています。
事業主は、高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けることができる者が、自らその請求その他の手続きを行うことが困難である場合は、その手続きを行うことができるように助力しなければならず、また、高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けるべき者から必要な書類を求められたときは、速やかに証明しなければなりません。