2019年5月6日 整理解雇の4要素
整理解雇は、企業としての倒産を免れるという意味では有効的な手法とも言えますが、半面、一部の整理される労働者にすれば、企業が生き残るために自分が犠牲になることでもあります。
こうしたことから、労働者側には責めに帰すべき事由がないため、使用者側に厳しい制約が課せられています。 これは、整理解雇の名の下に、安易な解雇がなされてはならないとの配慮からです。
整理解雇に当たっては、使用者は労働者や労働組合に対し、整理解雇の必要性や規模、時期、方法等について説明し、十分に協議する義務があるとされており、これに違反する解雇は無効とされています。
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人員整理の必要性
解雇をしなければ企業の維持・存続ができないほどの差し迫った必要性があること -
解雇回避の努力
解雇回避のあらゆる努力(希望退職、一時帰休、退職勧奨、役員報酬のカット、賞与の支給停止、新規採用の停止、労働条件の引き下げ等)が尽くされていること -
整理解雇対象者選定の合理性
解雇対象となる労働者の選定基準、人選(労働者の能力を基準に劣る人から人選する、解雇によって労働者の被る生活上の打撃の少ない人から人選する、公平性の見地から機械的に人選する等)が、客観的・合理的なこと -
整理手続きの妥当性
労働者個人及び労働組合に事前に十分な説明をして了解を求め、解雇の規模、時期、方法などについて、労働者側の納得を得る努力が尽くされていること
以上4つの要素に違反する解雇は無効とされます。